パリ・サンジェルマン(PSG)FWズラタン・イブラヒモビッチは、4年間過ごしたクラブを今シーズン限りで去ることになりました。
クラブおよび本人から発表が行われています。
今年6月30日で満了する契約を延長するのか、あるいはそのまま退団するのか、退団するなら新天地はどこになるのか――。
様々な憶測を生み出していたズラタンの去就に、まずは1つの答えが出ました。
少なくとも、PSGでプレーを続けることはありません。
退団発表に際し、イブラヒモビッチは次のようにコメントしています。
クラブ公式サイトが伝えています。
「この4年間を本当に誇らしく感じている。ここで過ごしたすべての日々を愛おしく思う。PSGは過去数年間に国際的なトップクラブとなったが、僕もその変化に大事な役割を果たすことができた」
「今は新たな道へ進むときがやってきた。チームメートやテクニカルスタッフ、クラブ全体に感謝したい。僕の心はサポーターとともにある。フランスで最高のサポーターたちだ」
クラブはまた、イブラヒモビッチが現役引退後にはPSGにクラブ役員として復帰することに合意したとも明かしています。
ズラタン自身も再会を約束しました。
「『さようなら』ではなく、『また会う日まで』だ。王のようにここにやって来て、レジェンドとして去ることになる。だが、再び戻ってくるよ!」
母国のマルメに続いてアヤックス、ユヴェントス、インテル、バルセロナ、ミランでプレーし、いずれのクラブでもリーグタイトルを獲得してきたイブラヒモビッチは、2012年にPSGに加入。
すでにトップレベルのスター選手だったスウェーデン代表FWは、ここでクラブとともにさらなる高みに達することになりました。
PSGでは加入1年目から今シーズンに至るまでのリーグアン4連覇に大きく貢献。
チャンピオンズリーグでの上位進出も含め、欧州のビッグクラブの一角として存在感を強めたクラブの象徴的存在であり続けました。
2012-13シーズンと2013-14シーズンにはリーグアン得点王および年間最優秀選手を受賞。
昨シーズンはいずれも逃すことになりましたが、今季はすでに年間MVPを奪回しており、1試合を残して3度目の得点王も確実としています。
PSGではこれまで公式戦178試合に出場して152ゴールを記録しており、昨年10月にはクラブの歴代最多得点者となりました。
34歳となった今季の活躍は特に目覚ましく、リーグ戦35得点ですでにキャリアハイを更新するとともに、カルロス・ビアンチ氏の保有するリーグアンの年間最多得点記録にもあと1点に迫っています。
14日に本拠地パルク・デ・プランスで行われるリーグアン最終節ナント戦が、イブラヒモビッチのPSGでのホーム最終戦。
さらに21日に予定されるフランスカップ決勝マルセイユ戦がクラブでのラストマッチとなります。
最後にもう1つタイトルを加え、2年連続の国内3冠を置き土産とすることができるでしょうか。
PSGを今季限りで退団することが決まったイブラヒモビッチは多くのクラブから関心が寄せられており、そこに目をつけた国際ブックメーカーが彼の移籍がどこに決まるかで賭け事を始めようとしているようです。
倍率はカタール行きが4倍で最も移籍の可能性が高いとブックメーカーは見ており、ミランへの移籍が6倍となっているそうです。
その他にも、アメリカのロサンゼルス・ギャラクシーには12倍がつけられ、プレミアリーグのチェルシーには21倍という数字が付けられているということです。
イブラヒモビッチは自身のツイッターアカウントで、「明日は、パルク・デ・プランスで俺の最終戦だ。王様のようにやってきて、レジェンドのように去っていく」と投稿。
パリSGのFWズラタン・イブラヒモビッチが14日、リーグアン最終節ナント戦で2得点を挙げ、リーグ戦得点記録を塗り替えました。
パリSGは前半18分、MFアンヘル・ディ・マリアが右サイドから上げたクロスをイブラヒモビッチが胸で押し込み、先制に成功。
同43分にはイブラヒモビッチのパスを受けたディ・マリアがスルーパス。これに反応したMFルーカスが右足でゴール右隅に流し込み、2-0としました。
後半も勢いが止まらないパリSGは同7分にゴール正面でFKを得ます。
キッカーはイブラヒモビッチ。
強烈なシュートがジャンプした壁の下を抜け、相手GKに止められましたが、詰めていたDFマルキーニョスが右足で押し込み、追加点。
最後は同44分にMFハビエル・パストーレが上げたクロスをイブラヒモビッチがヘッドで押し込み、4-0でリーグ最終戦を締めくくりました。
イブラヒモビッチはこれで38得点とし、1977-78シーズンにカルロス・ビアンチ氏が達成した37得点の記録を、最終節で塗り替えました。
また、イブラヒモビッチは2点目を決めた後、ピッチに2人の息子を呼び寄せ、一緒に引き上げていったそうです。
パリSGはすでに交代枠を使い切っていましたが、観客はスタンディングオベーション、ローラン・ブラン監督も何事もなかたったかのようにハイタッチで迎えたそうです。
すでに今季限りでの退団を表明しており、「レジェンドのように去ることになる」と語っていたイブラヒモビッチらしい去り方だったということです。