安倍晋三首相のロシア南部ソチ訪問は、現地の注目度も高く、6日付のロシア各紙が1面トップに載せるなど、大きく報じました。
ウクライナ危機の中で「対ロ孤立政策を無視した安倍首相の訪問は、欧米首脳に先例を示すことになる」(経済紙コメルサント)などと分析し、制裁網の打開につながると期待する見方を示したそうです。
コメルサントは、5月下旬の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を前にしたソチでの日ロ首脳会談について「先進7カ国(G7)との関係で、ロシアには過去数カ月間で最も重要な外交行事。2国間関係の枠を超えた意味を持つ」と評価。
「安倍首相は2016年に訪ロした最初の主要国首脳だ」と持ち上げたそうです。
政府系ロシア新聞は、ウシャコフ大統領補佐官(外交担当)の話として「首脳会談ではクリール諸島(北方領土を含む千島列島)の問題を議論する。ただ、進展には長い時間を要する」と伝えました。
公式メディアが「平和条約問題」とオブラートに包んだ表現ではなく「クリール諸島の問題」と直接的に報じるのは珍しいということです。
安倍晋三首相の訪ロは欧州歴訪の一環の非公式訪問ですが、プーチン大統領は日本の独自外交を歓迎。
9月に下院選を控えながら経済危機にあえぐロシアに、安倍首相が日本の協力を約束し、プーチン氏に一定の恩を売ったとの受け止めも出ているそうです。
日本にとってロシアとの関係強化は中国に対するカードにもなりそうですし、この時期に恩を売っておき、北方領土の返還につながれば良いですね