作家、三島由紀夫(1925~70年)が自決する9カ月前の昭和45年2月に死生観や憲法観などを語った未発表の録音テープの一部内容が12日夕、TBS系報道番組で放送されました。
テープは東京・赤坂のTBS社内で見つかり、これまで「放送禁止」の扱いでアーカイブ部門の責任者が歴代、保管してきたそうです。
TBSによると、テープには、三島が英国の翻訳家、ジョン・ベスター氏と日本語で対談した音声が約1時間20分にわたって録音されていたそうです。
三島がテープの中で、 遺作となった小説「豊饒の海」の第3部「暁の寺」について「ちょうど今朝、朝の9時に、『暁の寺』というのが完結したんですよ」と語っていることから、45年2月19日に録音されたものとみられています。
三島は「豊饒の海」第4部「天人五衰」を書き終えた直後の同年11月25日、東京都新宿区の陸上自衛隊市ケ谷駐屯地で割腹自殺したということです。
<番組で放送された録音テープの内容は次の通り>
・憲法について
「平和憲法は、偽善です。憲法は、日本人に死ねと言っているんですよ」
・思想の主張について
「僕は今の日本じゃ、言葉を正すこと以外に道はないんだろうなって思い詰めている。文体でしか思想が主張できない」
・死について
三島「死がね、自分の中に完全にフィックスしたのはね、自分の肉体ができてからだと思うんです。死が肉体の外から中に入ってきた気がするんです」
・自らの行動について
三島「僕の小説よりも僕の行動の方が分かりにくいんだ、という自信がある。僕が死んでね、50年か100年たつとね、『ああわかった』という人がいるかもしれない。それでも構わん。生きているうちは人間はみな何らかの理由でピエロです」
ベスター氏「神様がわれわれに…?」
三島「人形芝居をやらせている。人生でね、ひとつの役割をね、パペット・プレーを強いられているんですね」また、TBSによると、テープにはこのほか、次のようなコメントが残されていたという。
・自身の小説について
三島「僕の文学の欠点は、小説の構成が劇的すぎることだと思うんです。ドラマチックでありすぎる。どうしても自分でやむをえない衝動があるんですね。大きな川の流れのような小説は僕には書けない」
・自身の作品について
「僕は油絵的に文章をみんな塗っちゃうんです。僕にはそういう欠点があるんですね。日本的な余白がある絵ってあるでしょう。それが僕は嫌いなんです」
・このインタビューについて
「これは、ひとつのコンフェッション(告白)なんです」
・子供時代の気持ち
「僕は、ショーウインドーで見た空気銃が欲しいね、欲しいねって友達と話していた。それが何十年かたって、どうしても鉄砲が欲しくなったのと同じでしょうか。あっはははははは。かかかかか」
・憲法9条について
三島「僕、憲法9条が全部いけないって言ってるんじゃないんです。つまり、人類がですね、戦争しないってことは立派なことです。第2項がいけないでしょ。第2項がとにかく念押しの規定をしているんです。
アメリカ占領軍がね。念押しの指摘しているのを日本の変な学者がね、逆解釈してね、自衛隊を認めているわけでしょ。そういうことをやって、日本人はごまかし、ごまかし生きてきた。二十何年間。で、僕は大嫌いなんですよ、そういうことは。僕は、人間はごまかしてね、そうやって生きていくことは耐えられない。本当、嫌いですね」
TBSによるとテープは約3年前、アーカイブ推進部に保管されていた使用禁止扱いのテープ群から発見されたそうです。
デジタルテープに複製されており、原本のテープは廃棄されたとみられています。
反日TBSにはよっぽど世に出したくないないようだったにでしょうね。
何故、今頃公開したのでしょうか?