政府は14日、天皇陛下の生前退位を巡る有識者会議(座長・今井敬経団連名誉会長)の第4回会合を開いたそうです。
専門家への2回目の意見聴取を実施し、学者やジャーナリストら6人から退位の是非や法整備のあり方などについて見解を求めました。
4人が退位に慎重な姿勢を示す一方、2人は容認するなど、7日に実施した初回と同様、賛否両方の意見が出たそうです。
上智大名誉教授の渡部昇一氏は「天皇の仕事の第一は国民のために祈ることだ。本当は国民の目に触れなくても、任務を怠ったことにはならない」と指摘し、退位を明確に否定したそうです。
天皇の公務の負担軽減策は摂政で対応すれば「何の心配もない」と述べました。
皇位継承問題に詳しい慶大教授の笠原英彦氏も、退位に伴い新旧天皇が共存することで権威が二元化し、天皇の統合力の低下を招くとの懸念があると説明。
国事行為の臨時代行や摂政の現行規定を柔軟に運用することで対応可能だと主張したそうです。
ジャーナリストの桜井よしこ氏は心情的には陛下の思いに沿うべきだとしたうえで「国家の在り方は別問題だ」と指摘し、退位には賛成できないと表明。
摂政を認める要件に「高齢」を加える制度変更を軸に、対応を急ぐべきだと語ったそうです。
日本中世史に詳しい帝京大特任教授の今谷明氏も「天皇は存在自体が貴重だ」と述べ、退位に否定的な見解を示しました。
国事行為の委任が最適の対応だとし、摂政の設置も「必ずしも必要ない」と否定。退位の法整備の議論は「与野党が一致するまで見送るのが相当だ」と指摘したそうです。
退位に否定的な4氏に対し、ジャーナリストの岩井克己氏と元官房副長官の石原信雄氏は退位容認の立場を鮮明にしたそうです。
朝日新聞で30年間皇室の取材を続けている岩井氏は、昭和天皇が死去した時の経験から「天皇の終身在位は残酷な制度だ」と主張。石原氏も「高齢となった場合には退位を認めるべきだ」と述べたそうです。
ただ容認派の2氏でも、退位を実現する法整備を巡っては見解が分かれました。
石原氏は、政府が軸に検討する皇室典範の特例法での対応が適当だとの見解で、年齢など退位の主要要件は法律で規定し、ほかは皇室会議を活用すべきだと訴えました。
一方、岩井氏は特例法での対応を「一時の『抜け道』をつくる安易な対処との印象を与えかねない」と批判。
高齢を理由とした退位に論点を絞れば皇室典範の改正も「さほど難事とは思えない」と主張したそうです。
特例法で対応した後に皇室典範の本格改正に踏み切る「2段階論」は「過去の経験からみて、当面の対処が済めば機運がしぼんで先送りとなる恐れがある」との考えを示したそうです。
5人を対象とした7日の意見聴取では、条件付きを含めて退位に容認が3人、2人が反対しました。
聴取は30日にも実施予定で、元最高裁判事の園部逸夫氏ら5人を招くそうです。
計16人の聴取内容は、年明けにも公表する論点整理に反映させるということです。
第2回ヒアリングでは、やっと、6人のうち4人が反対という正統派の意見が出てきたようですね
皇室の最も大事な役割は祭祀です。
平成になって災害が多いのは、昭和天皇までの時代と比べ、今上天皇は音楽鑑賞や絵画鑑賞ばかりで、祭祀が疎かになっているからだという声もあるようです。