ワールドカップ北中米カリブ海最終予選で現地時間11日にアメリカとメキシコが対戦し、アウェーのメキシコが2-1で勝利しました。
両国間は先日のアメリカ大統領選挙の結果を受けて緊張感が高まっています。
メキシコ紙「RECORD」の報道では、「壁」がキーワードとして用いられたそうです。
先日のアメリカ大統領選挙で当選したドナルド・トランプ氏は、選挙戦の公約として不法移民の入国を阻止するためという名目で、「メキシコとの国境に大きな壁を作る。その費用はメキシコに支払わせる」と発言して大きな物議を呼んでいます。
まして、この日の試合会場コロンバスは、大統領選のカギを握る激戦州とされながら、僅差でトランプ氏が勝利したオハイオ州にありました。
それだけに同紙の写真報道によると、メキシコサポーターも試合前から「この試合で負けた方が壁の代金を支払うというのはどうだ?」というプラカードを掲げるなど、大統領選を受けての臨戦態勢が明らかになっていたということ。
そして、その因縁の一戦は1-1の同点で迎えた後半44分にメキシコの主将、DFラファエル・マルケスの決勝ゴールでメキシコが2-1と勝利しました。
同紙は「我々のキャプテンに“壁”など存在しなかった」と、決勝ゴールを称賛しています。
チチャリートの愛称で知られるFWハビエル・エルナンデスはこの日フル出場し、「人々にとって快くない時間が存在する。(大統領選の結果は)ラテンの人々や我々にとって最高の結末ではなかった。でも、人生は続く。悲しいことに、あの国はそういう決断を下した。我々の試合が喜びをもたらし、これから乗り越えるべき悲しみを拭い去りたい。そうなるといい」と語っていましたが、メキシコは大きなモチベーションを胸に、敵地での勝利を収めました。
メキシコは最終予選の初戦となったアメリカ戦を勝利したことで、ワールドカップ出場権の獲得に向けて大きな一歩を踏み出しました。
メキシコのホームで迎えるリターンマッチは来年6月に予定されていますが、両国間の政治情勢次第ではさらなる緊張感と因縁に包まれる一戦になるかもしれないということです。
政治とスポーツは別物ですが、この勝利はメキシコ側には嬉しかったでしょうね
