10月22日、プレミアリーグ第9節のクリスタル・パレス戦に先発出場したレスター・シティの岡崎慎司は1−0で迎えた63分に初ゴールをマークし、チームの勝利に貢献しています。
リーグ戦では実に4試合ぶりの勝ち星となりました。
この試合でエースのジェイミー・バーディを“戦術的な理由”からベンチスタートとしたクラウディオ・ラニエリ監督が選んだ代役は岡崎。
新加入のイスラム・スリマニと共に先発出場を飾ったこの日本代表ストライカーは、63分に自身のクオリティを示します。
エリア内左にこぼれたボールにすばやく反応し、これまでの鬱憤を晴らすかのように勢いよく蹴り込みネットへ叩き込みました。
アーメド・ムサのゴールで先制していたレスターが、勝利をより盤石なものとした瞬間でした。
もちろん英紙『Daily Mail』もこのひたむきなサムライストライカーに同試合の最高評価となる8.5点を付け、“バーディ? それ誰?”とのキャッチーなタイトルで試合の詳細を伝えています。
「バーディの代わりに入ったのは働きまくりの岡崎慎司だ。9月以来の先発出場となった彼はチームにパワーをもたらし、レスターを燃え上がらさせた。チームの勝利を決定的なものにしたのは彼の追加点のゴールだ」
さらに岡崎の得点シーンについては「素早く、そして熱狂的すぎたために、パレスが対応できないほどだった」と綴っているそうです。
地元紙の『レスター・マーキュリー』は「オカザキがすべてを一変させた」と書き、高級紙『ガーディアン』は「Shinji Okazaki」の名前を「Shine(輝く)」などの言葉とともに、複数の記事で見出しとして使っているそうです。
さらに世界で最も有名なフットボール番組である『BBC』の『マッチ・オブ・ザ・デイ』は岡崎をマン・オブ・ザ・マッチに選出。
司会のガリー・リネカーは「レスターが低迷しているのは、2つのものがなくなったからだ。一つはヌゴロ・カンテがいなくなったこと、もう一つはオカザキの出場機会が減ったこと」と、チームが波に乗り切れない要因を挙げるとともに、岡崎への称賛を口にしているそうです。
クラウディオ・ラニエリ監督は「今日はとても良いプレーをしたし、素晴らしい得点も決めた」「私はチームのためにハードワークをするシンジが大好きなんだ。ファンタスティックだね」と称賛を送りつつ、それでもターンオーバー制の導入や他にもイスラム・スリマニやアメード・ムサといった素晴らしい選手がいるという姿勢を崩さないということです。
15日に行われたプレミアリーグ第8節のチェルシー戦でベンチ外となっていた岡崎慎司。
クラウディオ・ラニエリ監督は、「岡崎について聞きたいんじゃないのか? もう分かってるさ。岡崎はいつも長旅を終えてクラブチームに戻ると、普段の彼の姿ではなくなるんだ。たぶん彼の兄弟かもね。日本代表に帯同した後、岡崎はいつも違う人間になる。きっと別の人物なのさ。それに私は毎試合で誰かをスタンドに置く必要があるんだ。今季は特別だよ」と説明。
英『Mirror』はこのラニエリ監督による“奇妙な説明”を受け、「レスターに陰謀アリ!」とユーモアたっぷりに取り上げていたそうです。
また記事内では岡崎の写真を2枚掲載すると、1枚目の説明文には「これはたぶん岡崎慎司で間違いないだろう」と記したものの、2枚目には「こちらに関しては岡崎慎司かどうかは謎だ」と綴り、“岡崎兄弟説”を煽っていました。
さらに同メディアの“おふざけ”は止まらず。
一連の「岡崎兄弟説」に関して、「チームでは何か怪しげな陰謀がうごめいているのでは?」と指摘し、米の人気SFドラマ『X-ファイル』の主人公であるモルダー捜査官の“いいかい? 君は何も見ていないんだ”との台詞と動画を掲載。
記事の最後にはアンケートで「レスターの陰謀はあると思う?」と問いかけ、“モルダーとスカリーに連絡すべき”かを読者に投げかけるなど、やりたい放題だったそうです。
イングランドプレミアリーグで2年目を迎える岡崎ですが、その天性の才能とも言うべき“いじられキャラ”が早くも英メディアにバレ始めてしまったのかもしれませんね