国際学会「国際純正・応用化学連合(IUPAC)」は8日、理化学研究所の森田浩介グループディレクターらが合成した原子番号113番の新元素の名称案を「ニホニウム」と発表した。元素記号案は「Nh」。5カ月間の一般からの意見公募を経て正式決定する。教科書でおなじみの元素周期表に初めて日本生まれの元素が掲載される。
森田さんは「応援してくれた日本の皆さんのことを思い、命名した。人類の知的財産として継承される周期表に載ることは大変光栄だ」との談話を出した。
名前と記号は、森田さんらのチームがIUPACに提案していた。関係者によると、新元素の名称案は「日本生まれ」であることが明快に分かる点を重視したという。「ジャポニウム」が有力候補だったが、外国語より日本語がいいなどの理由で回避した。「ニッポニウム」は元東北帝国大学長の小川正孝博士が1908年に「発見した」と発表した43番元素(後に誤りと判明)に命名した経緯があり、IUPACのルールで使えなかった。
原子番号(陽子の数)1番の水素から92番のウランまでのほとんどは自然界で見つかったが、93番のネプツニウム以降は人工的に合成された。チームは2003年、理研の仁科加速器研究センター(埼玉県和光市)で実験を開始。04年7月、光速の10分の1(秒速約3万キロ)まで加速させた亜鉛の原子核(陽子30個)を重金属のビスマスの原子核(同83個)に衝突させ、核融合反応によりニホニウム(同113個)を初めて合成した。
12年まで360兆回の衝突実験でできたのは計3個。寿命は平均0.002秒しかなく、崩壊をくり返して別の元素のドブニウム(同105個)やメンデレビウム(同101個)に次々と姿を変えていく。詳しい性質は分かっていない。ロシアと米国の合同チームも04年2月、別の方法で合成したと発表したが、IUPACはデータの確実さから理研チームを初合成者と認定し、命名権を与えた。
IUPACは8日、露米のチームが合成した原子番号115番を「モスコビウム(元素記号Mc)」、117番を「テネシン(同Ts)」、118番を「オガネソン(同Og)」とする案も公表したということです
すごいですね!
ドイツのゲルマニウム的な?