ベン・ローズ米大統領副補佐官は6日、ワシントン市内で講演し、5月のオバマ大統領による広島訪問について「多くの広島市民がとても温かく大統領の車列を出迎えてくれたことに驚かされた」と振り返ったそうです。
ローズ氏はオバマ氏に同行し、広島での大統領声明の文案作成にも携わりました。
この日の講演では、「広島へようこそ」と英語で書かれた紙を笑顔で掲げた少年が沿道にいたことに触れ、「71年前、彼がもし同じ場所にいたらどうなっていたかを考え、(原爆投下が)二度とあってはならないとの思いを強くした」と語っりました。
また、オバマ大統領の広島訪問について「大統領が平和記念公園を後にしてからも、何千もの人が供えた花を見に来たと専用機の中で聞いた。大統領はとても感動し、広島、そして日本の人と個人的なつながりを感じた」と振り返ったそうです。
ローズ氏は、今回の広島訪問で重要な役割を果たした大統領の側近。
オバマ政権の核政策について講演した後、記者団に対し、「広島を訪問すべきかどうか議論はあったが、間違いなく正しいことだった。行く前よりも、いまそれを確信している」と語っています。
さらにローズ氏は、実際に広島を訪問しなければ「歴史の重みを本当の意味で感じることはできなかっただろう」とも。
オバマ氏が提唱する核兵器のない世界の理念や日米関係の将来にも触れ、「原爆(投下)の標的になった場所に立たなければ、こうした問題の大切さは完全には理解できない」と述べ、「核軍縮について多くの人々や機関が、より大胆な行動を求めるようになる。オバマ氏は現状を打破するための道筋をつけた」と訪問の意義も強調したということです。
核兵器を使用した唯一の国、米国の大統領を大歓迎した日本に対して不思議な感覚も覚えたのではないでしょうか