プレミアリーグで圧倒的な強さを誇っているリヴァプールに対して、10歳の少年がクラブに“嘆願書”を提出したそうです。イギリス『BBC』などが伝えました。
ここまでのリーグ戦26試合で25勝1分け無敗という“準パーフェクト”の成績で2位マンチェスター・シティに22ポイント差をつけているリヴァプールは、30年ぶりのトップリーグ制覇をほぼ手中に収めています。
そんなリヴァプールに対して、宿敵であるマンチェスター・ユナイテッドのファンの少年であるダラー・カーリー君は、優勝してほしくないとの思いから、「負けてください」と純粋な気持ちで“嘆願書”を送付。ダラー君がユルゲン・クロップ監督宛に送った手紙の内容を父親のゴードンさんが明かしているそうです。
「親愛なるユルゲン・クロップさんへ。僕の名前はダラーです。10歳です。アイルランドの学校に通っています。マンチェスター・ユナイテッドが好きです。手紙を書いたのは、文句を言いたかったからです」
「リヴァプールは多くの試合に勝ちすぎです。あと9試合このままならイングランドで一番の無敗記録を残すチームになっちゃいます。ユナイテッドのファンはすごく悲しいです」
「だから次の試合で負けてくれませんか。お願いです。相手に点を取らせてあげてください。この手紙があなたを納得させて、もう試合に勝てず、優勝できなかったら僕は嬉しいです。ダラーより」
ファンレターはよくあることでしょうが、まさかの“アンチ・ファンレター”。ですが、驚くことに、クロップ監督本人からの返信があったとのことです。ゴードンさんはクロップ監督から手紙が届いた際、夫婦で驚いた様子を語ります。
「妻のトリシアが郵便局にダラー宛の手紙が届いていると話してきたんだ。彼女はダラー宛の手紙が普段くることはないから不思議がっていた。しかし、ユルゲン・クロップ監督から届けられたことに気づいたんだ。まさかだが、本当だったね」
クロップ監督は、ダラー君の無理なお願いに対して、以下の言葉を綴ったそうです。
「親愛なるダラー。まずは手紙をくれたお礼を言いたい。これが我々への応援ではないことを私はわかっている。だが、若いファンの声に耳を傾けるのはいつだって必要なことだ。手紙を書いてくれて、ありがとう」
「残念ながら君のリクエストを受けることはできないんだ。君がリヴァプールの負けを望むことと同じように、世界の何百万というリヴァプールを応援してくれる人たちが我々の勝利や優勝を願っている。だから私はそれができるように頑張らないといけない。同じように、私は彼らを失望させたくないんだ」
「我々はこれまでに何度も試合に負けてきた。そして、これからも負ける。それがフットボールなんだ。10歳の君は今、我々が負けることはないと思っているだろう。だけど52歳の私が君に話したい。これはずっと続くことではないと」
「そして私は同時に、一つ変わらないことを君に言うことができる。それは、君の応援しているクラブとフットボールへの情熱だ。マンチェスター・ユナイテッドは君のようなファンがいて、とても幸運だ」
「我々が幸運にも多くの試合に勝って優勝できても、君が落ち込みすぎないことを願わせてほしい。私たちは偉大なライバルだが、お互いに大きな敬意を分かち合うことができる存在だ。今回のものは、私にとってフットボールがどういうものであるかと教えてくれた」
「今後の君の幸運を祈る。ユルゲン・クロップより」
ゴードンさんは返信をくれたクロップ監督について、「本当に、とても良い人。素敵な人だ、スポーツマンシップと尊敬することの大事さを10歳の子に話してくれた。本当に素晴らしい」と感激している様子だったということです。
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リヴァプールを率いるユルゲン・クロップ監督が、話題となった10歳の少年との交流について口にしたそうです。
アイルランドの学校に通うマンチェスター・ユナイテッドファンの10歳の少年、ダラー君は先日、プレミアリーグで25勝1分け無敗と強すぎるリヴァプールに対して、「手紙を書いたのは、文句を言いたかったからです。リヴァプールは多くの試合に勝ちすぎです。次の試合で負けてくれませんか。お願いです」などといった内容の手紙を、純粋な気持ちでユルゲン・クロップ監督に送付。その“請願”に対してクロップ監督が返信の手紙を書き、その熱い内容が話題となっていました。
“アンチ・ファンレター”への返信について問われたクロップ監督は、交流について以下のように話したそうです。
「あぁ!ダラーのことだね! 我々はちょっとした交流をした。すべての手紙に対して返信できるわけではないよ。私は手紙を読み、返信したいと思った。洒落たものだったからね。私が返信したことが次の日の新聞に載るのはあまり好ましくないが…。まぁ、まぁいいけどね。手紙を受け取ったダラーが元気そうだった写真を見たから、それは良かったよ」
全ての手紙を返信するわけではないものの、なぜ今回は返信したのか尋ねられたクロップ監督は以下のように答えています。
「10歳の少年だ。粋なことを覚える、いい年頃だろうからね。面白いアイデアだったし、スマートなものでもあった。できるならば多くの声に反応したいが、それは不可能なことでもある。とりわけ今はフレンドリーな手紙を貰えるが、みんなもわかっているとおり、すべてに返信できるわけでないよ」
クロップ監督は、10歳という年齢と、生意気ながら可愛らしくもあった珍しい手紙だったことから返信したということです。
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マンチェスター・ユナイテッドのファンがリヴァプールに「負けてください」という内容の手紙を送り、英国内で話題を集めているそうです。“時の人”となっている10歳のダラー・カーリーくんとその家族が、本拠地オールド・トラッフォードに招待されることになったといいます。英公共放送「BBC」が報じました。
熱烈なユナイテッドファンのダラーくんは、今季プレミアリーグで首位を独走するリヴァプールの圧倒的な強さにショックを受けており、ユルゲン・クロップ監督宛てに「リヴァプールは勝ち過ぎています。次の試合では選手たちに負けるように伝えてください」とストレートな内容の手紙を送っていたそうです。
そして、この手紙に対して、クロップ監督が直々に返信したことが英国を中心に大きな話題となっています。一躍時の人となっているダラーくんとその家族を、ユナイテッドは聖地オールド・トラッフォードに招待することを決めたそうです。
ダラーくんは「最高のニュースです。オールド・トラッフォードの雰囲気は最高になると思います。友だちはうらやましがると思う」と喜びを明かしているといいます。
リヴァプールが快進撃を続ける一方で、ユナイテッドはプレミアリーグ7位と苦戦が続いているそうです。ダラーくんの見守る試合では勝利を掴み取ることができるだろうかということです。
さすが、クロップ監督、やることが粋ですよね!