2019年7月中旬から3ヶ月の予定で、スイスで、日本のアニメ「アルプスの少女ハイジ」（ズイヨー映像・作）の展覧会が開催中です。場所はデパートやイベントスペースではなく、なんと、スイス国立博物館。ここはチューリヒ中央駅の目と鼻の先にあってアクセスは抜群、お洒落なレストラン・ビストロもあり、スイス人に親しまれています。原作が生まれたスイスで、本格的な「日本のハイジ」展は初めてです。
45年前の1974年、毎週テレビ放映された本作（全52話）は、ヨーロッパやそのほかたくさんの国々でも放映されて、大ヒットしたそうです。ドイツなどでは、いまも放映されています。スイスのテレビ局では実は未放映ですが、ドイツやイタリアやフランスのチャンネルがスイスで視聴できるので、見たことがある人は多いと言われています。
原作がスイス生まれだというのは、スイスでは、ほぼ誰でも知っています。ただ、日本のように、ハイジと聞いてズイヨー映像の「日本のハイジ」だと思うかといえば、必ずしもそうではありません。「日本のハイジ」から数年後、1978年に週1回放映された実写版テレビシリーズ （スイス・ドイツ合作、全26話。）は、「日本のハイジ」を意識したのかと感じさせられるほどの出来で、当時成功を収めたと聞くし、この前後に本や映画がいろいろ出ているそうです。
国立博物館での展覧会は、本展特製のハイジのイラストで工作できる場を真ん中に取って（特製すごろくも持ち帰り可）、高畑勲氏、小田部羊一氏、宮崎駿氏、中島順三氏の4人の制作者がスイスでロケハンを行った思い出の写真の数々、スケッチ、セル画、ヘッドフォンを通して主題歌が聞けるコーナー、日本で昔販売されていたハイジグッズ（キャラクター商品）、レコードや日本語の絵本などがすっきりと配置されています。隣接のオーディオルームでは、本作が見られるようになっているそうです。
日本のハイジ」展が盛り上がりを見せている中、ハイジの舞台となったマイエンフェルト村の「ハイジ村と名付けたエリア」も、相変わらず人気です。スイス国内の観光客も行くし、ハイジの世界を自分の目で見たいという日本からの観光客が絶えることはありません。そして他国の観光客も、日本人観光客と同じ思いで訪れるそうです。ハイジ村のショップでは、「日本のハイジ」グッズがたくさん売られています。トムセンス教授が言う「ハイジ現象」を経験した人にとって、まさにここで、そういったグッズに出合うことも嬉しいことなのでしょう。数年前、ハイジ村のイベントで通訳した日本人によると、ハイジ村を経営する企業は、「将来、ハイジを世界的なブランドにしたい」と言っていたそうで、益々ハイジのPRに力を注ぐはず。
そしていま、それらのグッズが別の場所で買えるようになる可能性が出てきました。ハイジのテーマパークを作る計画があるのです。開園想定場所はマイエンフェルト村ではなく、チューリヒからマイエンフェルト村へ向かう途中のフルムサーベルク（山岳・スキーリゾート）。テーマパークの完成イメージ画も出ているそうです。2019年8月の報道によると、早ければ、およそ3年後に開館かもしれません。もし実現したら、「日本のハイジ」グッズを置かない理由はないでしょう。「日本のハイジ」は、これからもスイスの観光大使として活躍しそうだということです。
凄いですね！
