フランス史上最も有名な殉教者ジャンヌ・ダルクのものとみられる指輪が20日、西部バンデ県にあるピュイ・デュ・フーの歴史テーマパークで公開されたそうです。
指輪は先月、英ロンドンで開催のオークションに出品され、同テーマパークが37万6833ユーロ(約4700万円)で落札しました。
この指輪は過去6世紀にわたり、英国にあったということですが、指輪の真贋については疑問視する声も上がっているそうです。
約5000人が詰めかけた20日の記念式典では、施設の儀礼兵や士官学校の候補生らが行進し、指輪は専用の木箱に納められていました。
パークの創設者であるフィリップ・ドビリエ氏は、フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」演奏に先立ち、「指輪がフランスに帰ってきた。そして、ここにあり続けるだろう」と語ったそうです。
オックスフォード研究所によると、金メッキが施された銀の指輪は15世紀のものとされますが、付随する多くの歴史文献からは、指輪がジャンヌ・ダルクのものであるとは証明されていないそうです。
指輪には、十字架3つが彫られているほか、「イエス-マリア(Jesus-Maria)」を意味する「JHS-MAR」と記されています。
これは、1431年に行われたジャンヌ・ダルクの裁判記録と一致しており、ジャンヌは法廷で、指輪は両親から贈られたものだと語っていたそうです。
ジャンヌ・ダルクは百年戦争で、イングランドの占領からフランスを守ろうと戦い、火あぶりの刑に処せられました。
後にフランスの抵抗のシンボルとなり、カトリック教会により後に聖人と認められています。
指輪をめぐっては、その真贋が疑問視されていまが、その背景にあるのは、数多く出回っている複製品の存在が挙げられるそうです。
北部ルーアンにあるジャンヌ・ダルク博物館は、指輪が偽物である可能性があるとして、先月のオークションに参加していないということです。
果たして、本物なのでしょうか?