国際数学連合は1日、抜群の業績を挙げた数学者をたたえるチャーン賞を、京都大数理解析研究所の柏原正樹特任教授(71)に授与すると発表した。日本人では初めて。
代数解析学の新たな理論を打ち立てるなどの業績に加え、長年にわたる数学教育への貢献が評価された。賞金は50万ドル(約5600万円)で、半額は柏原氏の指定した京大数理研に提供される。
同連合は「数学のノーベル賞」とされるフィールズ賞の授与団体で、フィールズ賞受賞者も同時に発表したが、日本人は含まれなかった。チャーン賞は2010年に始まり、今回は3回目。
<4年に一度の国際数学者会議において授与される4賞>
フィールズ賞
若い数学者のすぐれた業績を顕彰し、その後の研究を励ますことを目的に、カナダ人数学者ジョン・チャールズ・フィールズ の提唱によって1936年に作られた賞。
2018年受賞者
Caucher Birkar(クルド人)
Alessio Figalli(イタリア人)
Peter Scholze(ドイツ人)
Akshay Venkatesh(インド系オーストラリア人)
ロルフ・ネヴァンリンナ賞
計算機科学における優れた数学的貢献をなした研究者に贈られる賞。4年に一度の国際数学者会議において授与され、フィールズ賞と同じく40歳以下の研究者にのみ受賞資格がある。
1981年、国際数学連合が設けた賞で、前年に死去したフィンランドの数学者ロルフ・ネヴァンリンナにちなんで名付けられた。
2018年受賞者
Constantinos Daskalakis(ギリシャ)
ガウス賞
社会の技術的発展と日常生活に対して優れた数学的貢献をなした研究者に贈られる賞。4年に1度の国際数学者会議(ICM)の開会式において授与される。
カール・フリードリヒ・ガウスの生誕225周年を記念し、2002年にドイツ数学会と国際数学連合が共同で設けた賞で、第1回授賞は2006年。
2018年受賞者
David L.Donoho(米国)
チャーン賞
国際数学者会議(ICM)で数学者に授与される賞の一つ。生涯にわたる群を抜く業績を挙げた数学者におくられるものとされる。チャーン賞は、陳省身を記念して創設され、2010年のインド、ハイデラバードの国際数学者会議で初めて施賞された。
2018年受賞者
Masaki Kashiwara(日本)
数学のノーベル賞と言われている賞です。
チャーン賞は2010年に始まり、今回は3回目。
2010年:ルイス・ニーレンバーグ カナダ/アメリカ合衆国
2014年:フィリップ・グリフィス アメリカ合衆国
2018年:柏原正樹 日本
すごいですね!
ちなみにノーベル賞に数学部門がないのは、ノーベルが好きな女性を数学者にとられたからだと言われています。