◆W杯ロシア大会▽1次リーグH組 ポーランド1-0日本(28日・ボルゴグラード)
元日本代表MF中田英寿氏に並ぶ日本人最多W杯10試合目の出場を果たしたGK川島永嗣(35)=メツ=がスーパーセーブを連発し、日本の1次リーグ(L)敗退危機を救ったそうです。第2戦のセネガル戦でミスから失点するなど批判にさらされていた守護神の復活には、広子夫人のひと言がありました。最良の理解者の助言を得て、西野朗監督(63)やチームメートの信頼に応えました。
川島に笑顔が戻りました。決勝T進出を決めてチームメートと共に場内を一周し、サポーターにあいさつ。最後に待っていたのは、第1戦から現地で見守ってくれた家族でした。日本ベンチ横のスタンドにいた広子夫人と目が合い、長男の健誠くん(2)を抱きかかえました。
「この4年間のいろんな思いがあるのは分かっているけど、それが自分の中でジャマしているのかもしれないし、そういうのを全て忘れて目の前のことをやればいいんじゃない」
セネガル戦後、こう言われた。「そうするしかない」と平常心を取り戻しました。
いつだって最良の理解者で、苦しい時に助けてくれたそうです。15年秋、欧州の移籍市場が閉じ、浪人しました。夫人は健誠くんを身ごもっていました。「職がなく、稼ぎもない。もし(オファーがあった)日本でやってほしいというなら」と父親の責任を果たそうとも考えました。だが広子さんは背中を押してくれました。欧州での挑戦が続き、経験はロシアW杯につながった。「今まで自分だけの夢だったのが家族の夢になった。ちゃんと正しい道に戻してくれた」と振り返ったそうです。
西野監督やチームメートにも「自分は1人で戦っているんじゃないと感じたのは大きかったかな」と感謝した。指揮官からは試合前にゲームキャプテンに指名され、強い信頼を感じた。スーパーセーブの時は長友、槙野、酒井宏が駆け寄ってきた。「自分たちが成し遂げたことのないことをやり遂げたい。チームとして一つになってやっていきたい」。史上初の8強入りへ、欧州挑戦を始めた国、ベルギーに挑むということです。