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フランクフルト、絶対王者を下して30年ぶりのDFB杯制覇の件

 【バイエルン・ミュンヘン 1-3 フランクフルト ドイツカップ決勝】



5月19日(現地時間)、DFBカップ決勝が行なわれ、フランクフルトが3-1でバイエルンを下し、1988年以来となる5回目の優勝を飾った。
  

  12年ぶりに決勝で顔を合わせた両チーム。ともにそれぞれの監督のラストゲームであり、フランクフルトのコバチ監督は来シーズンに指揮を執るチームとの対戦となった。
  

  勝てばヨーロッパリーグ(EL)出場権を得られるという重要な一戦、フランクフルトでは、ブンデスリーガ第31節のヘルタ・ベルリン戦で相手選手に肘打ちを食らわせ、以降の試合を出場停止となっていた長谷部誠が、約1か月ぶりに試合に出場。予想された最終ラインではなく、中盤の底で試合開始を迎えた。
  

  立ち上がりはフランクフルトが積極的に前に出るが、5分に初めて攻撃を仕掛けてミュラーがファーストシュートを放ったバイエルンが、そこからはボールを支配して次々に攻撃を仕掛けていく。

  
  8分には、ペナルティーエリア左手前の好位置で得たFKで、レバンドフスキがクロスバーを叩いて、最初の決定機を作った。

  
  圧倒的なポゼッションの高さを誇るブンデスリーガの王者だが、12分に一瞬の隙を突かれてリードを許してしまう。自陣でハメスがレビッチにボールをカットされ、そこからボアテングのリターンで抜け出したレビッチにゴール右隅へシュートを突き刺されたのだ。
  
  フランクフルトにとっては、最初のチャンスを活かした会心の先制ゴール。ここからは守備が機能し、試合を落ち着かせる。
  

  長谷部はボランチとして、バイエルンのMF陣をケアしながら、バイタルエリアに入る相手選手に対応したり、最終ラインに入ってクロスや縦パスを処理したりと、守備で幅広い仕事を果たす姿が印象的だった。
  

  バイエルンが7割以上ボールを保持し、25分にはカウンターで帰陣の速いフランクフルトDF陣をミュラー、リベリ、レバンドフスキの3人で崩してフィニッシュに持ち込むなど、攻撃力の高さを見せるも、一方で多くのチャンスを活かせずに苛立ち、また攻めあぐねて遠くから確率の低いミドルを放つ場面もあった。
  

  逆にフランクフルトは逆襲から、37分にレビッチが好機を作り、44分にはヴォルフが惜しいヘディングシュートを放って追加点に近づく。フランクフルトは前半だけで長谷部を含む3人がイエローカードを受けたが、その守備はバイエルン相手に効果を発揮し、リードを保ったまま前半を終えた。

  
  後半、フランクフルトがボアテングのヘッドで最初にシュートを枠に飛ばすが、すぐにバイエルンが攻勢に立ち、前半同様に主導権を握る。そして53分、ジューレのスルーパスで右サイドを抜け出したキミッヒがマイナスに折り返すと、レバンドフスキが合わせてゴール右隅に流し込み、ようやく試合を折り返した。
  

  その後も攻勢に立つバイエルン。要所を押さえられていた前半とは違い、連係と個の力で相手選手を置き去りにし、ゴール前でフランクフルトDF陣に揺さぶりをかけて押し込みながら、フィニッシュまで持ち込んでいく。
  

  これに対し、後半は効果的な攻撃を見せられなくなったフランクフルトは、60分にガチノビッチを投入。1分後、そのガチノビッチが敵陣深くまでボールを運んで、ボアテングがダイレクトボレーを放つが、ゴール右外に逸れる。しかし、これでチームは積極性を取り戻し、66分にもマスカレルが惜しいダイレクトシュートを枠内に飛ばした。
  

  69分、バイエルンはキミッヒが左からクロスを入れると、ミュラーが中央でスルー、背後で抜け出した交代出場のトリソが決定機を迎えたが、これを防いだのは長谷部。後半は最終ラインに下がった彼が、懸命に足を伸ばしてシュートを許さなかった。
  

  バイエルンは80分、CKでフンメルスが競り勝ってのヘッドでクロスバーを叩く決定機。対するフランクフルトは、直後のカウンターからレビッチが相手DF2人を前にしながら惜しいシュートを放つ。
  

  そして82分、そのレビッチが大きな仕事を果たす。中盤で長谷部が相手選手に寄せて奪ったプレーから、縦パスに反応した前線のレビッチはスピードを活かしてフンメルスを置き去りにし、ゴールに流し込んだのだ。直前のプレーにファウルがあったという疑いでVARに判定は委ねられたが、主審はフランクフルトの得点を認めた。
  

  残り時間、バイエルンの猛攻を受けながらも、再三入れられる危険なクロスやCKをクリアし、アディショナルタイムにはヴァーグナーのシュートをGKフラデツキーがストップ。直前にハビ・マルティネスが蹴り倒された疑いで再びVARが導入されるが、バイエルンにPKは与えられなかった。
  

  そして直後のCK、バイエルンはウルライヒも上がって最後の攻撃に懸けたが、逆にクリアからガチノビッチの独走を許し、決定的な3点目のゴールを献上して万事休した。
  

  試合終了。今シーズン、リーガでは2試合とも敗れた絶対王者を下し、実に30年ぶりのDFB杯優勝を飾るとともに、来シーズンのEL出場権も獲得したフランクフルト。大きな置き土産を残したコバチ監督は感涙にむせび、偉業を成し遂げた選手たちは笑顔で喜びを爆発させた。
  

  一方、バイエルンはリーガ最終節(シュツットガルトに1-4)に続く公式戦2連敗で、ハインケス監督に勝利をプレゼントすることはできなかった。彼らが決勝で敗れたのは、ドルトムントに2-5で敗れた2012年以来である。王者は1冠でシーズンを終えた。






















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