カタルーニャ生まれのグアルディオラ監督は、バルセロナの育成組織出身。トップチームに昇格後は、10年以上にわたって中盤のポジションを担い、6度のリーグ制覇など数々のタイトルを獲得しました。その後、指導者として2007年にバルセロナBに戻ってくると、翌年からトップの監督に就任。初年度の3冠に始まり、4シーズンでリーグ制覇3度、欧州制覇2度という華々しいチームを築き上げています。
そんな生粋の“カタラン”(カタルーニャ人)である指揮官は「カタランが社会において最も力を有した道具を使用できることを願っている」として、1日に行われた独立を問う住民投票で「賛成票」を投じたと表明。しかし、スペイン政府はこれを違憲として中止させる姿勢を示したため、そこに疑問を投げかけているそうです。
「みんな、私たちがスペインを嫌いだと思っているかもしれないが、そうは思ってほしくないんだ。スペインはすばらしい国だ。教養があり、スポーツも強く、そして未来がある」。自らも代表チームとしてプレーした“スペイン”に配慮を見せた一方、「自分たちの未来は自分たちで決めたいと願う人びとがいるということも、理解していただかなければならない」と語気を強めました。
「スペインは真実を覆い隠そうとしてる。だが、世界中のメディアがこの件について見張っているんだ」とスペイン政府の対応を批判すると、「『エル・パイス』を読んだよ」と政権側と距離を置いた論調で知られる日刊紙の名前を挙げ、さらに言葉を続けました。
「どうやら彼らは、傷つけられた警察官がいると言っているらしいじゃないか。何によって傷つけられたんだ?投票か?実際に傷つけられたのは真逆だよ。彼らがカタルーニャの人々をゴム弾で傷つけているんだ。ゴム弾はカタルーニャでは違法なのにね」
話は住民投票にもおよび、「なぜ私たちがイギリスのようになってはいけないのか?あそこはもう何年も、ずっと民主主義でやってきている」とEU離脱に揺れていた現在の拠点に触れつつ、「なにより投票をしなければ、そもそもカタランが独立したいと思っているのか、そうでないのかもわからないじゃないか」と主張したそうです。
なお、賛成が多数を占めれば48時間以内に独立を宣言するとしていたカタルーニャ州政府は2日、賛成票が約9割を占めたと発表。今後の動向が注目されているということです。
スペイン第2の都市、バルセロナを中心とするカタルーニャ州で1日行われたスペインからの独立の賛否を問う住民投票について、地元州政府は、暫定的な集計結果を発表しました。 それによりますと、州政府が投票資格があるとしたおよそ534万人の住民のうち、42%余りにあたる226万人が投票し、このうち、独立賛成が圧倒的多数の90%以上を占めたということです。
これに先立ち、カタルーニャ州のプチデモン州首相が演説し、開票結果を受け一方的な独立の宣言に踏み切る構えも見せているのに対して、スペインのラホイ首相は、住民投票は憲法違反で無効だとする姿勢を示し、双方の対立がさらに深まり、混乱が広がることが懸念されます。