内戦が続くシリアで、主要都市アレッポをめぐる激しい戦闘が続くなかツイッターを使って発信し続けた7歳の少女バナ・アラベドさんがこのほど、ドナルド・トランプ米新大統領にあて公開書簡を送ったそうです。
アラベドさんはトランプ氏に、シリアの子どもたちを助けると約束してほしい、と訴えています。
手紙は、今月20日の大統領就任式の数日前に書かれたそうです。
アラベドさんは手紙の中で、「シリアの子どもたちのために必ず何かしてください。だってあなたの子どもと一緒で、あなたと同じように平和に生きるべきだから」と書いています。
アラベドさんは、トランプ氏をテレビで何度も見ていたため、手紙を書くことにしたそうです。
先月、大量の住民がアレッポから退避した際に、アラベドさんも家族と共に脱出。現在はトルコで生活しています。
アラベドさん一家が住むトルコは、シリアの反政府勢力を支援しています。しかしトランプ大統領の態度は依然として不明です。
トランプ大統領は、ロシアとの関係を強化したいと何度も強調してきており、シリアのアサド政権を支援するロシアのウラジーミル・プーチン大統領に好意的な姿勢を示してきました。
トランプ氏は昨年の選挙戦で、反政府勢力に対する支援の停止に言及。しかし、より最近では、反政府勢力を助けることになる「安全地帯」の設定が必要だと述べています。
アサド政権を支援するイランとロシア、反政府勢力を後押しするトルコの3カ国の呼びかけで今週23日から24日にかけて中央アジアのカザフスタンで開かれたシリア和平協議では、3週間の停戦が表明されました。
しかし、アサド政権や反政府勢力からの同意がない現状では、停戦がどの程度の期間守られるのか明らかではありません。
アラベドさんは、反政府勢力が支配するアレッポ東部が政府軍に包囲され、激しい空爆など攻撃が続くなかで、ツイッターを使って発信を続けたことで世界中で知られるようになりました。
母親のファテマさんが手紙の写しをBBCに送ってくれたそうです。
以下に、手紙の内容を紹介してあります。
親愛なるドナルド・トランプさん
私の名前はバナ・アラベド。7歳でシリアのアレッポから来ました。
包囲された東アレッポから12月に出るまで、ずっとシリアに住んでいました。シリアの戦争で苦しんだ子どもの一人です。
だけど今、トルコの新しい家で平和に生きています。アレッポで学校に通っていたけれど、爆弾で学校は崩れました。
何人かの友達は死にました。
とても悲しいし、一緒にいられたら良かったのにって思います。今ごろ一緒に遊んでいたのに。アレッポでは遊べなかった。あそこは死の町でした。
今いるトルコでは、外に出て楽しむこともできる。まだ行っていないけど、学校に行ける。だから平和は、あなたを含めてみんなにとって大切なんです。
だけど今、私とは違って何百万というシリアの子どもたちは、シリアのいろんなところで苦しんでいる。大人のせいで苦しんでいるんです。
あなたがアメリカの大統領になるのは知っています。だからシリアの人々と子どもたちを救ってくれませんか。シリアの子どもたちのために必ず何かしてください。だってあなたの子どもと一緒で、あなたと同じように平和に生きるべきだから。
シリアの子どもたちのために何かすると約束してくれれば、あなたはすぐに私の新しい友達です。
シリアの子どもたちのために何をしてくれるのか楽しみにしています。
トランプ大統領に、手紙も気持ちも届くと良いですね!
そしてこちらは、ブッシュ氏娘からオバマ氏娘へのねぎらいの手紙です。
「あなたたちは、著名なご両親の元から飛び立って自分自身の物語を紡いでいく」
20日で退任したオバマ米大統領(民主)の2人の娘、マリアさん(18)とサーシャさん(15)に宛て、ブッシュ前大統領(共和)の双子の娘らが手紙を送ったそうです。
世間に注目され続けた姉妹を、同じ体験を持つ「先輩」がねぎらう言葉がつづられています。米メディアは「大統領選で分断された社会に、ひとすじの光」(USAトゥデー紙)などと伝えたそうです。
ブッシュ氏の娘でNBCテレビの記者、ジェナさん(35)と保健関連のNPOを運営するバーバラさん(同)は12日付の米タイム誌電子版で手紙を公表しました。
オバマ姉妹にホワイトハウスを案内した8年前を振り返り、姉妹が「少女からすてきな女性に成長した」とたたえたそうです。
「信じられないほどの重圧」の中で暮らしたホワイトハウスを出た後は「もう、すべてを背負う必要はない。情熱を追いかけて自分を見つけて。失敗も、たくさんすればいい」とアドバイス。
一方で、「ホワイトハウスであなたたちを支えた人々を決して忘れないで」と説いたそうです。
手紙は「あなたたちを、ご両親と共に、私たちも応援しています」と締めくくられているということです。
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