熊本県などの一連の地震では、大分県別府市も震度6弱を記録し負傷者が出たほか、発生直後には数千人が避難所に避難しました。
同市には、約80カ国3千人の留学生が通う立命館アジア太平洋大(APU)があり、人口当たりの留学生数は2・63%(平成27年11月現在)と全国の自治体でもっとも多いとされています。
留学生たちは、今回の地震や日本人の行動をどう見たのでしょうか。
「母国では、避難所がこんなに早く立ち上がり、ましてや、おにぎりや水が配られることはありません。日本人は落ち着いている」。インドネシア出身で、2年生のナターシャ・タリスカさんはそう語ったそうです。
一方、インド系シンガポール人で2年生のサキ・バーランさんは、地震の激しい揺れで、体が動かなくなりその場で固まってしまいました。
「地震の多い国とは聞いていたが、揺れのすさまじさは想像できなかった」
友人たちは避難所に逃げると聞いたそうですが、「日本の建物は丈夫」というイメージがあり、外には出ませんでした。
しかし、翌日になってマンションの壁に亀裂が入っているのを見て、「恐ろしくなった」という。
別府市は外国人向けの災害マニュアルを作っていますが地震を経験してまだ部数が少ないと感じたそうです。
3年生でインド人のアリ・チャウダリーさんは、市内の下宿先で友人たちと食事している最中、激しい揺れに見舞われました。
一時、高台に避難しましたがアルバイト先の市内のホテルから、外国人客への通訳として呼び出されたそうです。
そこで宿泊客の安全を守るため、丁寧に対応する従業員や、普段は受け付け業務を行わない幹部社員がフロントに立つ姿を目にしました。
「自分の命を守りたいと思っているはずなのに、まずお客の命を優先している日本人に感動した」
アリさんのフェイスブックにも、「自分に任された仕事を優先させる。日本人とほかの国との違いがわかった」といった他の留学生たちの声が書き込まれていたそうです。
アリさんは、第二次大戦で焼け野原となった日本が、復興を成し遂げた理由を調べたいと来日。今回の経験で、その答えを見つけたと感じています。
「日本は逆境に負けない国だ。その理由は、どんな問題があっても、自分より他人を優先する日本人の民族性なんだ」
今回の被災地の方の対応も、海外で絶賛されているようですね