二度と戻れない家から、一つだけ持って出たものは?
以下が実際に選ばれたものだったそうです。
二度と戻れない家から、一つだけ持って出るとしたら、あなたは何を選びますか?
母国から逃げざるを得なかった人たちが実際に家から持ち出したものを展示する「難民コレクション」が、4月15日から3日間、東京・渋谷のWhite Space Omotesandoで開かれるそうです。
会場には100を超える品物が展示されますが、ここでは一部を紹介します(説明文は展示からの引用)。
国際難民支援会(RIJ)のジェイン・ベストCEOは、日本における難民問題の理解を高めようと、2年前から今回の展示の企画を始めたそうです。
昨年10月からタイ、ミャンマー、南アフリカとケニア4カ国を訪れ、難民となった人たちに協力をお願いしました。
難民たちから、それぞれが大切にしていたものを寄付してもらい、それぞれの品物に関する思い出を聞き取ったそう。
「物・ストーリー・名前をきちんと正確に伝えるのに時間をかけました」
それぞれの品物を見るだけでは「無垢なもの」に見えます。
しかし、そこには「実際に起こった悲劇が包まれている」。それを感じてもらうのが、企画展のコンセプトだという。
ベストさんは、展示会を訪れた人々に願うのは「共感」です。
「どんなシンプルなものでも、難民の人たちにとってはとてつもなく大きな意味があるのです。シンプルなものに、たくさんの思い出が詰まっているということに気づいて欲しいです」
アイテムに共通しているメッセージは何か。ベストさんはこう語ります。
「これらのアイテムには、ポジティブなメッセージがあります。人々を安全へと導いたのです。ナイフは道を切り開き、薬は痛みを和らげ、音楽は心を癒したのです」
「難民、と聞くと過酷で悲惨なストーリーが連想されがちです。しかし、そこにたくさんのポジティブなものもあります。皆、より良い生活を求め努力しているのです」
圧倒的な存在感ですね!
ボロボロのサッカーボール:ミャンマーのリー・レイさん(20)
「リー・レイは軍人に脅かされた記憶を忘れるためによくこのボロボロのボールでサッカーをしていた。彼は少数民族の一人であるため村から追い出された。リーはレフュジー(難民)の窮状を喚起するためにこのサッカーボールを寄付しました」
壊されたギター:ミャンマーのウー・レイさん(18)
「ウー・レイは弦が切れ音程がずれているにも関わらず、このギターを手放さなかった。気ままに音楽を愛することができた頃を忘れないためだった。タイに向かうことを余儀なくされた彼の唯一の所持品」
ボロボロのスニーカー:ジンバブエのジュンドさん(19)
「ジュンドは南アフリカに避難した際にこれらのスニーカーを履いていた。ジンバブエからの道のりは全て徒歩だった」
ボコボコのヘアワックスの入れ物:ミャンマーの男性(43)
「この無名の男性が少数民族であると隣人が知った時、彼は村から追い出された。数日後、彼が村に戻ると自宅は焼かれていた。焼け跡から使えるものを拾い、ジャングルを抜けタイに向かう道のりで食料と交換したり、雨風を避けるためにそれらを使った。その道のりの最後で唯一手にしていたものは、このヘアワックスの入れ物だった」
ボロボロのペン:ミャンマーの女性(17)
「無名の彼女は、友人たちに自らの脱出経験を語るため、毎日毎日このペンを使い手紙を書いた。しかし、それらの手紙は投函されることなく、ジャングルを抜けタイへと向かう途中に渡った川で、全て無くしてしまった」