競泳男子100メートル、200メートル平泳ぎの元世界記録保持者で、2004年アテネ、08年北京五輪で2大会連続2冠に輝いた北島康介選手が10日、東京辰巳国際水泳場で引退会見を開きました。
冒頭、「私事のためにお集まりいただきありがとうございます。今大会の競技におきまして、現役生活を、何て言っていったらいいの?現役生活を退き、引退することを皆さまにご報告させていただきます」とあいさつしました。
「小さい時から面倒を見てくれた平井先生がいたからこそオリンピックで金メダルを取ることができましたし、応援してくれる仲間がいたからこそここまでやってこれたのかなと思います」と平井伯昌コーチをはじめ、周囲に感謝したそうです。
「真剣勝負は終わり」と引退を表現していましたが、「そこが寂しいです」とぽつり。
「レースは1分、2分で終わってしまいますが、それまでの過程がすごく濃いので、その時間がなくなってしまうのは、心に穴が空いた感じになってしまうのかなと思います。ここまで長く真剣勝負をさせてもらったのが、幸せな選手生活だったと思いますし、本当に悔いはないです」とやり切ったことを強調しました。
4度出場したオリンピックへの思いも口にしています。
「オリンピックがあったから水泳を続けてこれたと思いますし、一番最初に夢を持ったのはオリンピック。スタートはどのスイマーとも一緒だと思う」としみじみと語り、「忘れられないオリンピックに4回も出させてもらって、いい思いをさせてもらって、出過ぎだろと思われるかもしれないけど、僕が僕らしく一番興奮できる場所。それがオリンピックなんだと思います」と表現しました。
5大会連続出場となるリオ五輪を目指していましたが、4日からの日本選手権で出場権を獲得できず、引退を表明。
五輪を逃しての引退表明となったことには「リオに行けないのは残念ですし、実現できなかったのは僕自身に責任がありますし、応援してくれた方、信じてくれた方の期待を裏切ってしまう形になったのは、非常に申し訳ない気持ちでいっぱい」と悔しさものぞかせました。
ただ、「今、僕が実際に世界で戦えるかと言ったら、全然戦えるレベルにないです。その辺の現実を今、あらためてこの試合を通じて思い知らされた。そういう意味でも自分が引いて、この後、世界で戦う若手を本当に応援したい気持ちです」とすっきりとした表情だったそうです。
日本代表を決める日本選手権では全力を尽くしました。
5日の100メートル平泳ぎ決勝は59秒93で2位でしたが、日本水連が定めた派遣標準記録(59秒63)を切れず、代表入りできず。
8日の200メートル平泳ぎ決勝では2分9秒96の5位に終わり、こちらも代表入りを逃したということです。
準決勝で派遣標準記録を切ったこと、決勝で2位に入っていたことで、選考方法に疑問を持つ人が少なくなく、都内の日本水連事務所、水連幹部には選考方法の問い合わせ、「なぜ北島を行かせないんだ」との抗議電話が殺到したそうです。
リオに行って欲しかったですね!Image may be NSFW.
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