トランプ米大統領は19日、初めて国連総会に出席して一般討論演説を行い、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、強い表現で非難したそうです。
米国や同盟国に脅威を及ぼすなら「完全に破壊するしか選択肢はなくなる」と強調。さらに、金正恩朝鮮労働党委員長を指し「『ロケットマン』は、自身とその体制の自滅に向けた道を突き進んでいる」と警告しました。
また、日本人拉致被害者の横田めぐみさん=失踪当時(13)=を念頭に「北朝鮮が自国のスパイに日本語を教えさせるため、善良な13歳の日本人少女を拉致したことを、われわれは知っている」と言及。北朝鮮による人権無視を厳しく批判したそうです。
北朝鮮の核・ミサイル開発について「想像を絶する数の命を奪う脅威を全世界に突き付けている」と主張。「非核化だけが受け入れられる未来だと、北朝鮮に分からせる時だ」と述べ、北朝鮮の核保有は決して認めない姿勢を改めて明確にしました。
また「世界に核戦争の危機をもたらす国と貿易を行うだけでなく、武器を与え財政面で支援する国があることに、怒りを覚える」と非難。国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議が全会一致で採択されたことを挙げた上で「さらなる措置を講じなければならない」と訴え、北朝鮮の孤立化に向けた団結を呼び掛けたそうです。
イラン核問題をめぐり欧米など主要6カ国とイランが締結した合意に対しては「最悪で最も一方的な取引だ」と批判し、離脱も辞さない姿勢を示しました。イスラム過激派のテロ防止では「テロ組織を支え資金援助する国を暴露し、責任を負わせるべきだ」と強調したそうです。
このほか、ウクライナ東部の紛争や中国による南シナ海進出を挙げ「国家主権への脅威は拒絶しなければならない」と述べました。
「米国第一」を掲げ、国際協調に後ろ向きの姿勢も目立つトランプ氏の演説は、大きな注目を集めた。同氏は「すべての国の指導者が自国を第一に考えるのと同様、私は常に米国を第一に置く」と語り、利己的なのは米政権だけではないと釈明してみせたそうです。
国連運営に関しては「一加盟国である米国は予算の22%を分担し、不公平な負担を引き受けている」と不満をあらわに。しかし「問題がすべて解決されるなら、それだけの価値がある投資になる」と国連の役割に期待をにじませた発言も行ったということです。
パフォーマンスの一貫かもしれませんが、横田めぐみさんに言及したことは日本人として嬉しいですね
安倍晋三首相は19日、国連総会のため訪問中のニューヨークでグテレス国連事務総長主催の昼食会に出席。会場ではトランプ米大統領と隣同士に座って笑顔で語り合い、ワインで乾杯するなどして、関係の親密さを示したということです。