連日、熱戦が続く第99回全国高校野球選手権大会。球児たちがみせるひと夏のドラマに、釘付けになっている人も多いはず。
そんな中、福島・聖光学院が校歌斉唱中に行う、ある「儀式」をめぐり、ネット上で注目が集まっているそうです。
戦後最長となる11年連続での甲子園出場を決めた聖光学院。名将・斎藤智也監督率いるチームは、今夏も順当に勝ちを積み重ねています。
1回戦は、おかやま山陽(岡山)相手に6対0と大勝。2回戦は、2017年8月16日、同じキリスト教系の学校である聖心ウルスラ(宮崎)とぶつかりました。序盤に3点を先制されるも5対4で接戦を制し、3回戦へ駒を進めました。
勝利後といえば、選手たちの校歌斉唱が控えています。ユニフォームを真っ黒に汚し、汗をぬぐいながら誇らしい表情を浮かべるナインたちに、胸を打たれる高校野球ファンも少なくないでしょう。
この日も、18人の聖光ナインが今夏2回目となる校歌を高らかに歌い上げ、歌の最中には、ツイッター上で選手たちを称える声が多数寄せられたそうです。
ですが、途中からコメント内容が一変。「なんで??? 」「初めてみた!」――こんな驚きの声が混ざり始めたそうです。
試合を中継したNHKの放送を確認すると、校歌斉唱中は例のごとく、端からナインを順々に映していました。
それから数秒後、パッと画面が切り替わり、手元がアップに。そこには、2人の選手が小指同士を絡めた映像が流れました。よくよく観察すると、選手全員が手を繋いでおり、中には「恋人つなぎ」の選手もいたそうです。
これには、
「状況を理解するのにしばらくかかった」
「聖光の子が指つなぎしててなんかドキッとした」
「色々妄想してしまう」
と、普段見慣れない光景に驚嘆する人が続出。そのほか、「ミッション系同士で戦うと手つなぐの?」「学校の伝統?」などとそのワケをめぐる予想合戦も繰り広げられました。
手をつなぐ理由はなんでしょうか。J-CASTニュースは17日、同校野球部OBで、現在青山学院大学野球部で活躍する鈴木駿輔さん(19)に話を聞いたそうです。
鈴木さんは昨年の夏には甲子園のマウンドに立ったことがあり、取材に対し、
「選手全員の心をひとつにするためです」と答えました。
斎藤監督は、1年生から3年生まで分け隔てなく「チーム」として戦うことの大切さを、常日頃から選手たちに伝えています。その表れがこの行為につながったそうです。
いつから始まったかは「わからない」としつつ、少なくとも、鈴木さんが同高にいたころ(2014~2016)にはすでに続いていたそうです。
手をつなぐ場面は、大会での校歌斉唱時だけではありません。大会前、球場に向かう前に同校のグラウンドで校歌を歌い、そこでも手を繋いで団結力を高めています。
つなぎ方に決まりはあるのか尋ねると、
「特に決まっていないですが、小指同士が多いですね。恋人つなぎをする選手はかなり仲が良い証ですね(笑)」と話してくれたということです。
聖光学院は本日、広陵(広島)との3回戦に4―6で敗れ、2年連続の8強入りは果たせませんでした。残念ながら「恋人つなぎ」は見れなくなってしまいましたね