世界的に活躍する前衛芸術家、草間彌生の展覧会「草間彌生 わが永遠の魂」が2月22日から、東京・六本木の国立新美術館で開催されています。
21日に開かれた内覧会には草間本人が登場。
車椅子に乗り、自身のかぼちゃ作品をイメージさせる衣装で現れた草間は、「数日前から喉を痛め、声が出なかった」と話すも、しっかりとした口調で「草間彌生から世界の皆さんへ」と題したメッセージを読み上げたそうです。
騒然とする世界を憂慮しながら、「芸術の制作に命懸けで闘ってきた」と自らの信念を訴え、「芸術家として70年以上も作品を作り続けて、毎日生命の尊さを祈り続けてきた。心が沈んだときや、希望が薄れたとき、悲しみのとき、いつも私を支え救ってくれたのは、私の芸術家としての強い生命の輝き」だったと語りました。
草間はメッセージを読み上げた後、「皆さん、終生、死んだ後も私の芸術を愛してください。私は皆さんの永遠なるアイドルだと自分で思いたい。それは、私の死後も、限りない皆様の愛情をつぎ込んでいただきたいという私の切なる願いです」と締めくくったそうです。
同展では、初期から現代まで、70年以上にわたる創作活動のなかで生み出された約270点の作品を紹介。
絵画から彫刻、インスタレーション、小説など幅広い領域に、現在もなお取り組む草間の軌跡を紹介します。なかでも、09年から草間が精力的に取り組んでいる大型絵画「わが永遠の魂」は約130点が日本初公開となっているということです。
展覧会は5月22日まで。
草間彌生が今回の大個展に向けて制作を加速させていた昨年7月、4月には米誌タイムの「世界で最も影響力のある100人」にも選定されるなど話題の続いていた草間に思いを聞いていました。
「100人」の選出について同誌は「過激で革命的な仕事をしてきた女性」と評したそうです。
幼時から幻覚が見えるなどの心の病に苦しみながら、ニューヨークで活動するなど独り闘い続けてきました。
水玉や編み目が画面や立体を覆う作風は、今や知らない人がいないほど浸透しています。
選出を喜びつつ、「でも自分の影響力なんて考える暇がない」と明かしました。それは制作に追われる日々を送っていたからです。
土日も返上し、朝9時から夜までアトリエで描いているそうです。
アイデアは次々にわき上がり、「手が追いつかなくて」。と語ったということです。
素晴らしいですね!
