スポーツ総合誌「Number」8月10日発売号の編集後記。Twitter上で拡散され、話題になっているそうです。
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拝啓 清原和博様
1985年の夏、高校一年の私は父のクルマの中で編入試験の合格発表を待っていました。ラジオからPL対宇部商の中継が流れています。
「ここでキヨハラが打ったら、俺も受かる……」。
次の瞬間、あなたはホームランを打ちました。甲子園はキヨハラのためにあるのか。
次の打席も、あなたはホームランを打ちました。以来、あなたのホームランに、一体どれだけ励まされつづけたことか。
今回、PL時代にあなたが甲子園で打った13本のホームラン、その対戦相手すべてに話を聞きました。みな、あなたと真剣勝負をした記憶と、あなたと同世代に生きたことを誇りにしておられました。あなたが野球に帰ってくるためにできることはないか考えておりました。
この特集記事は、あなたに励まされつづけた私たちからのプレゼントです。
あなたが、再び小誌の誌面に登場する日が来ることを私は信じています。
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これが話題になった編集後記です。
本号は「甲子園最強打者伝説」と題し、PL学園時代の清原について特集が組まれています。
甲子園で清原にホームランを打たれた全投手へのインタビューや、後輩である立浪和義さんと、片岡篤史さんから見た清原など、20ページに渡り、綴られているそうです。
そしてある日、記者の径庭電話に見覚えのない番号から着信が入っており、かけてみると清原だったそうです。
「ありがとうございました。感動しました。ただ、それだけ伝えたくて電話しました……。涙が止まらなかったです……。1日に、何度も何度も読んでいます」
電話の声は10分以上にわたって語りました。
受話器の向こうの声が震えていたそうです。
甲子園の記憶、野球と今の自分への思い。そして最後にこう言ったそうです。
「謝罪ができないまま、ズルズルときてしまいました。何とか早く、皆さんに謝罪したいと思っています。今は精神的にも、肉体的にも、誰かに会える状態ではありませんが、1日も早く、更生して戻りますから。待っていて下さい……」
頑張って欲しいです
