20日に任期を終えるオバマ米大統領が日本時間11時から、地元であるイリノイ州シカゴで最後の演説を行ったそうです。
景気回復や雇用創出、キューバとの国交回復などの成果について「我々はそれを成し遂げたんです。みなさんこそが成し遂げたんです。アメリカは8年前より強い国になった」との発言に会場からは「あと4年やってくれ」という支持者たちの叫び声が上がりましたが、「それはできませんよ」とたしなめる場面も。
演説では「民主主義に脅威が迫っている」として、再びアメリカ国民に民主主義の達成に向け結束を呼びかけました。
オバマ大統領は「今、大学のキャンパスでも、ソーシャルメディアの世界においても、自分と同じような人たちに取り込まれ、自分に対して問いかけをしない人に取り込まれています。党派性や経済的な分断、そして趣味に応じた分断がメディアを通して伝播していくのです。真偽を別にして、自分に受け入れられる情報だけを受け入れるようになってしまっています」などと指摘。
「命を守り、自由や幸福を追求する権利は自然に生まれるものではなく、努力・行動しなければなりません。わたしたち国民は自らを捧げることで国を作ってきたのです。最初から今の結果があったのではなく、変化させ続けることができるということがアメリカという国を特別な国にしているのです。民主主義を達成するための道は平坦ではなく、流血もあるかもしれない、時には後退をすることもあるかもしれません」
「緊張感を持って民主主義を守らなければなりません。そして、そのことを楽しもうではありませんか。偉大な国を常に改善するんだと。知らない人とネットでは議論したくないと思うのではあれば、リアルに会って話しをして下さい。自分で足で歩いて人々をまとめて解決して下さい。自分が選んだ議員に失望したなら署名をしてください、そして自ら立候補して下さい。時には負けることもあるでしょう。失望することもあるでしょう。しかし、これまでそうした取り組みに関わってきた人間として申し上げます。必ず力を得ることができます」
「アメリカの憲法は美しい贈り物ですが、しかしそれはあくまでも文章にすぎません。紙に書かれたものに力はなく、私たちがそれに意味を与えるのです」
と訴え、経済的な問題や人種・移民問題による社会を分断を乗り越え、人種、移民、LGBTの解決に向け撤退することなく多々言い続けるべきだとしました。
また、客席のミシェル夫人に「あなたはこれまでの25年間、私の妻であり、二人の娘の母親というだけでなく、私の親友でした。大統領夫人への道は、決して自分で求めたわけではありませんが、常に上品に、ユーモアを持ってその道を歩んでくれました。あなたの努力がロールモデルになり、次世代のホワイトハウスのレベルを高めた」と感謝、涙を拭ったそうです。
さらに二人の娘に対しても「私のせいで本当に奇妙な状況になってしまいました。スポットライトを浴びるのは負担だったでしょう。でも、2人は素敵な女性になりましたね。私の人生で、君たちの父親であったことが一番誇らしいこと」と語りかけました。
最後にオバマ大統領は、スタッフや支持者に対し感謝の言葉を述べるとともに、「私はこれでストップするわけではありません。これからは市民の一人としてみなさんと一緒に歩んで行きます。大統領として一つだけ最後にお願いしたいことは、私に8年前に私をお選びいただいたときにお願いしたいこと、オバマに変化をもたらす力があるのではなく、自分たちに変化をもたらす力があるんだということを信じていただきたい。“Yes We Can“なのです」
演説の締めくくりには自身の選挙スローガンだった「Yes We Can」に加え、8年を振り返って「Yes We Did(成し遂げた)」と語り、未来に向けてもう一度「Yes We Can」と訴えたということです。
オバマ大統領は日本に対して冷淡だとも言われましたが、今後の事を考えるともう4年やって欲しい感じですね。
ヒラリー氏敗退後、次期米大統領選の民主党候補として国民的な人気を誇るミシェル米大統領夫人の待望論が高まった時、オバマ大統領は「私の知る限り、ミシェルは才能豊かな人間だ。国民からも驚くほどの共感を得ている。でも、思慮があり過ぎて政界に足を踏み入れる気にはならないだろうと、私は冗談を言っているんだ」と言っていました。
時期候補というより、今回ヒラリー氏ではなくミシェル夫人が立候補していたら民主党が勝利していたかもですね