<リオ五輪・体操男子団体・決勝 (8日、リオ五輪アリーナ)>
リオデジャネイロ五輪は第4日の8日、体操男子団体の決勝があり、日本が悲願の金メダルを獲得しました。
この種目での優勝は2004年アテネ大会以来12年ぶり。2位はロシア、3位は中国でした。
前々回北京大会、前回ロンドン大会と連続で銀メダルに甘んじた日本は、ロンドン大会個人総合金メダルの内村航平を主将に、加藤凌平、山室光史、田中佑典(いずれもコナミスポーツ)、白井健三(日体大)の布陣。
日本はあん馬からスタートし、3連覇を狙った中国の演技にミスが出る中で、同じ演技順のロシアとトップを争う展開となりました。
5種目終了時点で日本がトップに立ち、2位のロシアとの差は0.208点。
最終種目の床運動で日本は白井、加藤、内村の順で登場し、いずれも安定した演技を見せてロシアや、鉄棒が最終演技だった中国を引き離しました。
<日本の各種目の得点は以下の通り>
あん馬43.933点▽つり輪44.599点▽跳馬46.199点▽平行棒46.766点▽鉄棒45.398点▽床運動47.199点(合計274・094点)
予選4位だった日本(内村航平、加藤凌平、田中佑典、山室光史、白井健三)は、平行棒、床など得意種目で得点を伸ばし、アテネ五輪以来となる3大会12年ぶり7度目の金メダルを獲得。
主将、エースの内村は「めちゃめちゃ重たいです」と感慨深げでした。
内村は全6種目に出場。そのすべてで高水準の演技を披露し、チームを引っ張りました。
個人よりも種目別に気持ちを傾けて臨んだ今大会で、「北京、ロンドンとメダルを取ってきて、一番重たい。それプラス、ぼくたちの頑張りというよく分からないものも入っているので、倍以上に感じていると思います」と喜びもひとしおといった様子。
勝因については「すごく努力をしてきたので、その努力じゃないでしょうか」と静かに答えました。
「栄光の架け橋」と呼ばれた鉄棒の演技を決めての優勝だったアテネ五輪とは対照的に、床でロシアの演技終了を待っての金メダルとなりました。
今なお内村の記憶に鮮明に残っているアテネの金と比べて「僕たちの中では超えられてないのかな」と謙遜しましたが、「僕たちは僕たちの歴史があると思うので、それは結果がオリンピックで金なので、それはそれでいいんじゃないかなと思っています」と語りました。
表彰台では、全員で君が代を、大きな口を開けて熱唱。
「ゆっくり流れたので歌いづらかったですけど、みんなで大きな声で歌えて良かったです」とチームでの約束を果たせて笑顔を見せました。
次は2連覇がかかる個人総合が控えますが、「今は何も考えられないです」。
とにかく、悲願を成就させた喜びでいっぱいだったということです。
<メンバーの表彰式後のコメントは以下の通り>
内村航平(コナミスポーツ)
(金メダルは)めちゃめちゃ重たいです。北京、ロンドンとメダルを取ってきて一番重たい。それプラス、僕たちの頑張りというよく分からないものも入ってるので、倍以上に感じている。(君が代は)声が裏返るまで歌ってやろうとみんなで言っていて、ゆっくり流れたので歌いづらかったですけど、大きな声で歌えてよかった。アテネ(の団体金メダル)は僕たちの中では超えられていないのかなと思うのと同時に、僕たちには僕たちの歴史というものがある。結果が五輪で金なんで、それはそれでいいかなと思う。ここまですごく努力をしてきた。(個人総合は)今は何も考えられないです。
白井健三(日体大)
(金メダルの実感)ないですね。(最後の床運動は)コーチから予選の反省練習だといわれていた。ラインオーバーは気にしたけど力が入りすぎずに演技ができた。チームのおかげ。人生で一番心臓に悪い日といっても過言ではないんですけど、間違いなく一番幸せな日だと思います。種目別も結果にこだわらずに演技したい。
加藤凌平(コナミスポーツ)
(メダルは)本当に重くて、歴史作れたのかなと。今までの思いが込み上げてきて、幸せだなと思いました。追い上げる展開は予想していた。最後、白井(健三)がしっかりつなげてくれて、(内村)航平さんが終わって勝ったなと思った。
山室光史(コナミスポーツ)
僕が最初ミスしてしまって、その後は声を出すしかなくて、でもいいムードで盛り上がって金メダル取れたのでみんなに感謝です。(落下のときは)どうしようと思った。でも次の演技があったので、自分のできることをどうにかやろうと思った。(金メダルは)あまり実感が沸かないですけど、ただただ良かったなと思います。
田中佑典(コナミスポーツ)
出し切りました。もう言うことないでしょう。自分自身、予選がふがいなかったんで、もう一回覚悟を決め直してこのでき。もういいです。自分は何をしにきたんだというのをもう一度考えて、ここで活躍するためこの4年間頑張ってきたというのを考えてふっきれて演技した。めちゃめちゃ重い。いろんな人の思いがつまった金メダル。お待たせしました。
めちゃくちゃ嬉しそうですね!
感動しました!
メダルと一緒に渡されたリオ五輪記念品に白井健三選手が「歯ブラシ立て?」と発言した声が中継でしっかり拾われていたため、ネット上で可愛いと話題になっています。
リオデジャネイロ五輪は第4日の8日、柔道男子73キロ級決勝で、大野将平(旭化成)がルスタム・オルジョイ(アゼルバイジャン)に一本勝ちして、今大会の日本柔道勢で初の金メダルを獲得しました。
柔道男子の五輪での金メダルは、2008年の北京大会66キロ級の内柴正人、100キロ超級の石井慧以来2大会ぶり。
女子57キロ級で12年ロンドン大会金メダリストの松本薫(ベネシード)は準決勝で敗れたものの、3位決定戦で連珍羚(台湾)に優勢勝ちして銅メダルをものにしたということです。
体操にしろ柔道にしろ、日本の勝ち方は美しいですよね!
まさに「美しい体操」「美しい柔道」ですね!